転職・働き方 PR

「働き方の未来 2035」を要約してみた!

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

「働き方改革」が話題になってからというもの日本人の働き方に興味を持ってしまったshantianです。

今更ですが、2016年に厚生労働省が発表した「働き方の未来 2035」を先日読みました。

これが案の定面白かったです。(興味ある方はこちらの原文をどうぞ)

内容は起業家や大学教授、企業研究員などの有識者が行った全12回の懇談会の報告書です。

この記事では報告書を読み終え、特に興味深かったことをまとめてみました。

「働き方の未来 2035」で提言された内容について

1. はじめに ~一人ひとりが輝く社会をつくる~
2.2035 年の社会
3.一人ひとりが輝く 2035 年における働き方
4.一人ひとりが輝く 2035 年における制度のあり方
5.一人ひとりが輝く 2035 年における生涯教育のあり方
6.2035 年に向けての提言
7.おわりに 〜2035 年、自分らしく輝ける社会へ〜

以上が報告書の目次になります。

2035年の社会を予測したうえで、「働き方」「制度のあり方」「生涯教育のあり方」をどうすべきかを提言した構成となっています。

そして目次の中で気になったのが「一人ひとりが輝く」というキーワードについてです。報告書では、これまでの組織の一員として働くことが主流だった社会から、個人で働ける社会になった時に、一人ひとりがどう輝けるかが主なテーマになっています。

 

将来の日本人には、個々人が 「好きで得意な道」で技術革新をフル活用し、世界で類を見ないユニークな存 在であり続けてほしい。魅力ある日本社会を創りあげるために、「働き方の未来 2035:一人ひとりが輝くために」を提言する。

以上の引用にあるように、「一人ひとりが輝く」とは「好きで得意な道」で個人が活躍できる社会と考えられます。

2035年の働き方を予測するために、未来の技術がどう進化しているかを予測するところから始まります。

2035年の技術革新ついて

「働き方の未来 2035」では技術革新を積極的に活用すべきと提言しています。では2035年の技術はどうなっているのでしょうか。

報告書の中で言及されていたのは「通信技術・センサー・VR・移動技術・AI」の進化について、今後大きく進化する技術分野だと言及しています。例えば、通信技術については2020年の5Gで10Gbps以上、2035年に100Gbps以上になると予想しています。(その結果産業がどうなるかまでは言及されていませんが)

今後重要になる「ヒューマンタッチ」

機械・ロボットは進化を続け、機械・ロボットが仕事をする領域は今後も増えていきます。

その中でサービス業においては、低価格のサービスはロボット・機械が代替していきますが、付加価値の高いサービスは人間が対応するという分離が起こると予測しています。人間は人間のサービスによって大きな満足を得るため、人間のサービスの価値は高まっていくと予測してます。

仕事を創作する起業家の仕事も、ロボットに取って代われない領域という点も興味深いです。

働き方の目的がお金から多様化していく

2035 年には、各個人が、自分の意思で働く場所と時間を選べる時代、自分のライフスタイルが自分で選べる時代に変化している事こそが重要である。技術革新の成果はそのために積極的に活用されるべきだ。

2035年には、「働く」という活動が、単にお金を得るためではなく、社会への貢献や、周りの人との助け合いや地域との共生、自己の充実感など、多様な目的をもって行動することも包摂する社会になっている。 誰かを働かせる、誰かに働かされるという関係ではなく、共に支え合い、それぞれが自分の得意なことを発揮でき、生き生きとした活動ができる、どんな 人でも活躍の場がある社会を創っていくことになる。自立した個人が自律的に多様なスタイルで「働く」ことが求められる。つまり、「働く」ことの定義、意義が大きく変わる。

上記の文章では、時間や空間に縛られない働き方と、仕事に求める充実感についての記述があります。

これからの時代の「働く」ことの定義が変わっていくことについて、厚生労働署の報告書でもまとめられているのですね。

 

何度でも学び直せる時代にむけて

今後特に、重要となってくるのは、働く場所を変えたり、新たな働き場所を探すための実践的、職業的な生涯教育、あるいは職業訓練の提供である。これまで、職業教育は主として人材を採用した企業が担うのが通例だった。しかし、第 2 章、第 3 章で説明したように、企業組織がプロジェクト型に変容していくと考えると、この役割を企業のみに期待するのは、かなり困難になるだろう。また、健康寿命が延びていくと期待される中では、一つの企業に一生留まる人は、少なくなると考えられ、キャリアアップ、キャリアチェンジのための充実した職業教育が、個人の側からも一層求められることになる。 

一度職を失った人が、単に生活できるというセーフティネットだけではなく、自分自身が望む、より良い働き方ができるようにするためのセーフティネット、いわゆるトランポリン型のセーフティネットの充実が必要だ。今後は、やり直しをするための再教育の仕組みをもっと整えていく必要があり、個人がそのための職業教育、職業訓練を受けることに対して、財政的な支援を充実させていくべきだろう。

変化の激しい世の中において、一度就業してからでも何度でも学びなおせる環境が必要です。たしかに個人の時代は企業の役割が弱くなるとも考えられるので、では誰が人を育てるのかという話になってきます。

個人的に、働き方の未来を考えるうえでも、セーフティーネットについて本当に機能するのかが一番不安です。既に優秀な人材は個人で働けてしまうのでしょうが、そうでない人は何をすればいいのかと。

国の財政状況を考えてみても、日本人が新しいことに組織的にチャレンジできるかという点を考えてみても、、、不安です。

それでも学びなおせる時代、やり直しがきく時代に変えなければいけないと思っています。

 

最後に提言として以下の項目で締められています。

2035 年に向けての提言

① 技術革新は、大きなチャンスをもたらす
② チャンスを生かすには、新しい労働政策の構築が不可欠
③ 働き方の変化に伴うこれからのコミュニティのあり方
④ 人材が動く社会と再挑戦可能な日本型セーフティネット
⑤ 働く人が適切な働き場所を選択できるための情報開示の仕組み
⑥ これからの働き方と税と社会保障の一体改革
⑦ 早急かつ着実な実行を

日本人の大多数の人間にとっては、個人の副業を勧めるなり、働き方を改革するなりいきなり言われても、何から手をつけるべきか分からず困惑しているとは多いと思います。

なんだかんだ、日本は国が指導しないと会社(組織)は変わらないし、会社(組織)が変わらなければ個人は変われない世の中だと思います。失われた20年しかり、変化の乏しい時代が長年続いたから尚更です。

まだまだ今の世の中、一般の会社に勤めている方にとって副業がしやすいと言えるような環境ではないと思うので、政府にはより具体的な方針を示すべきだと思います。(個人的に有給休暇完全取得の義務化を進めるべきと思ってます)

政府が予測する未来と、それに向けての働き方改革を推進していく現在の状況。時代がようやく変わりつつある今の雰囲気が個人的に好きです。

「働き方の未来 2035」に興味を持った方は、こちらの原文を一読することをおすすめします。